横浜国大附属横浜小学校 同窓会

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恩師の近況 第3回「牧野賢治先生」

牧野賢治(まきのけんじ)   現職 平塚市立相模小学校 校長  

 渡部伸一校長先生からのご紹介で本欄を担当させていただきます平塚市立相模小学校の牧野賢治です。

 附属横浜小学校には、きりのよい2000年に赴任し、9年間勤務しました。その間、皆様にはたいへんお世話になりました。ありがとうございました。私にとっては、最長の勤務校となりました。一番楽しく過ごすことができ、一番影響を受けた学校です。

<2000年度—2008年度在任>

 附属小では、たくさんの生き生きした魅力的な子どもたちと出会うことができとてもうれしかったです。充実した時間でした。赴任してからすぐに1年生の担任を3年連続で受け持ちました。個性豊かな子どもたちが入学してきて、笑顔と楽しさとスリル?あふれる毎日でした。生活総合学習では、みんな違ってみんないい!ではないですが、一人一人がしっかりとめあてを持ち、夢中になって活動を創り上げ追究していく姿がすばらしかったです。子どものよさを生かし、自己決定力・自己責任能力・かかわりあう力を培い、共に学びをつくりあげる子の育成を目指しました。40人40通りの活動を支えていくことには苦心しましたが、子どもたちのきらきらした思いが広がり深まっていく過程を支えていくことに喜びを感じていました。
 総合学習では、自作の納豆を作ったり、複合的な群読をしたり、4mを超える万華鏡を作ったり、どの活動に対しても子どもたちの意欲があふれていて思い出がいっぱいです。学び合い高め合う授業を子どもたちと創っていったことがとても楽しい思い出です。附属小で教育の根幹を体感できたのは私自身の糧となりました。
 清里の山荘学習や飛騨高山への修学旅行、遠足や校外学習も子どもたちが計画し、たくさんの学びを得ることができました。大和町商店街に出かけお店の方に学習や活動を支えていただいたり、中区の音楽会にも出場したりして、地元や地域にもたくさんお世話になりました。活動はダイナミックで、活動が新聞に掲載されたり、テレビ番組の収録が行われたりもしました。
 「校歌」も素敵なメロディーでした🎵この機会に歌ってみましたが、歌詞を見ずともほぼ歌えました。歌詞が学校や子どもたちのことをよく表しているからだと思います。第二校歌「学校坂道」も思い出深い曲です。

      「みんなで集まれるのも附属のよさですね」

 縁あって担任させていただいた教え子たちは、今や立派に社会に巣立ち、それぞれの世界で活躍しているとのこと、感無量です。附属小の子どもたちは、のびのびして生き生きとすごしていました。それがずっと続いて人生を充実させているのですね。そこに関われたことは教師冥利につきます。これからも皆さんは、さらに活躍の場を広げていくことでしょう。楽しみです!心から応援しています。また、会える日を楽しみにしています。

 保護者の皆様にもたくさんご協力いただきました。附属小ならではの特色を生かした学びを創る上での多様なお願いに快くお力をいただけたことに深く感謝申し上げます。地域の教材研究するにあたってもお知恵をいただいたり、ご案内いただいたりしました。総合学習において活動を展開していく中で、子どもたちが調べて休みの日に自主的に専門家を訪ねることになった時にも、急な計画にもかかわらずたくさんの方が引率を引き受けてくださいました。豊かな教育活動を実践するにあたり保護者の皆様のご理解とご協力がなければ実現できないことがたくさんありました。子どもたちの充実した学びが実現できたのは、保護者の皆様の多大なご支援があったからこそです。ありがとうございました。深く感謝いたします。

 附属小では、上司・先輩・同僚にも恵まれました。県内各地から集まってきた先生方は、熱情にあふれとても刺激的でした。楽しい職場で、夜通しの仕事も苦にならず?立野の丘に昇る朝日はいつ見てもとてもきれいでした笑。よい思い出です。出会えた素晴らしい先生方に感謝しています。特に2000年ミレニアムの年に赴任した5人男ばかりの同期の先生方とは、職場以外でもたくさんの時間を共に過ごすお付き合いをさせていただきました。

 また、附属小学校の子どもたちの学ぶ姿をもとに全国各地で授業実践や研究の話をさせていただき、他県のたくさんの先生方と学べる機会をもつことができました。文科省の派遣でのフィンランドスウェーデンの視察や現地での研究会もよい勉強になりました。これらすべては附属小の子どもたちのダイナミックな発想や追究する力を発信することがもとになっています。毎年、研究発表会を行い、教育実習生も受け入れ、年中行事も盛りだくさんでした。その合間に原稿を書いたり実践発表や研究授業をしに出掛けたり様々な仕事に追われていました。イベント続きの緊張感とわくわく感がアドレナリンを生み出していたのでしょう。

 現在は平塚市立相模小学校で勤務をしています。本校はこの春に校舎を新築し、移転しました。市の施策である「ツインシティ構想」の一環で、新しい街づくりの中心に新しい学校をつくることになったのです。教頭時代に2年、校長として3年目。新校舎設立に向けて、他県への視察や設計にも携わり、やっと形になりました。新校舎は、木材がふんだんに使われ優しい色合いになっています。ガラスを多く取り入れ採光も配慮されていてとても明るく開放感があります。吹き抜けのホールや植栽を取り入れた広いウッドデッキも子どもたちに人気です。日当たりのよい日に寝転んで本を読んでいる子や楽器を持ち出して練習している子もいて、どの子も学校生活を満喫しています。様々な特徴ある校内の場所に子どもたちにオリジナルの名前を付けてもらおうと、「ネーミング・プロジェクト」と銘打って全校の子どもたちに呼びかけ、アイデアを募集しているところです。吹き抜けのホールで読み聞かせをしたりライブ演奏をしたりして交流の場として活用し、地域とも連携し学校の活性化を図ろうと計画をしています。他県から議会が視察に来たり、新聞や建築・教育関係の専門誌に記事が載ったりしています。何より、新しい校舎を使ってどのような学びを創り上げていくのか!そこが一番大事です。期待に胸がふくらみます。これを書いていてふと思いましたが、新校舎は附属小の校舎の面影を投影しているところがあるような気がします。(これは、私の中に流れる附属小のDNAのせいでしょうか)原点は附属小にあり、ですね笑。機会があれば、足をお運びください。お待ちしています。

 附属小に対する思いがたくさんあり、書いている間に長文となってしまいました。申し訳ありません。長話は歓迎されませんが、長文は読み飛ばしていただける分、ご迷惑になりにくいと思い、そのままとさせていただきます。

 最後になりますが、このような機会をいただきました附属横浜小学校の同窓会の皆さまに深く感謝するとともに、附属横浜小学校と同窓会の末永い、さらなる発展を祈念して結びとさせていただきます。